高層ビルは災害時の避難に時間がかかるため、高度な消防設備設計が求められます。ここでは、高層ビルにおける消防設備設計のポイントや設計事例をご紹介します。また、設計会社へ依頼する際の注意点も解説します。
高さが60~100mを超える高層ビルは、低層建築物と比較して避難に時間がかかります。
火災が発生した階によっては、はしご車が届かないケースもあるため、消防設備で火災の被害を抑制することが重要です。
高層ビルにおいては、避難方法・経路の多様化や、火災の被害を最小限に抑える設備設計が求められます。
また、地震対策を施し、消防設備の破損や突発的な故障を防ぐことも重要です。このほか、さまざまな災害の発生を踏まえたリスク管理も求められます。
高層ビルの消防設備設計時は、避難経路の多様化を意識する必要があります。
避難経路が限られると特定の場所に避難者が殺到し、避難の遅れや二次被害が起きる可能性が高くなるでしょう。避難はしごの設置場所を分散させるなど、円滑な避難を実現するための設計が求められます。
また、誘導灯による適切な避難経路への誘導も必要です。
高層ビルの場合、構造や規模に合わせた適切な消火設備の設置だけでなく、セーフティゾーンの設置も検討の余地があります。消火設備は、スプリンクラーや屋内消火栓など、速やかな初期消火に対応できる設備が必要です。
セーフティゾーンは、災害発生時に一時的な避難場所となるエリアです。避難経路の近くに設置することで、利用者の円滑な避難を実現できます。
大規模な地震へ備えられるように、一時的に避難者を収容する設備や、避難者が状況を外部へ伝達するための手段の整備も求められます。特に高層ビルは多くの人が集まるため、食料・水を備蓄するための空間も必要です。
また、自力での移動が困難な利用者を想定し、避難用エレベーターなど、災害発生時に使用する設備の設置も求められます。
消防設備は、データセンターや工場、福祉施設、商業施設、オフィスビルなど、多様な施設に欠かせません。 施設ごとに必要な消防設備の設計ポイントが異なるため、万が一の際に適切な消防対応ができるよう、施設特性に合った消防設備を設計できるメーカー選びが重要です。
本サイトでは、各施設に適した消防設備の設計を依頼できるおすすめメーカーを紹介しています。ぜひ参考にしてください。
【施設別】消防設備設計を
設計から依頼できる
メーカー3選を見る

多くの来場者が訪れる東京スカイツリータウン®に消火設備を施工した事例。消火器1,500本をはじめ、商業施設の吹き抜け部分に放水型スプリンクラー、駐車場には移動式粉末消火設備や泡消火設備を導入。万が一の際にも迅速な避難と消火が可能な環境を整備しています。また、展望台には内装に調和したホワイトの消火器を設置し、視認性とデザイン性を両立。高層施設ならではの防災対策が施されています。
▶ ヤマトプロテック株式会社の公式HPで
消防設備設計の
事例詳細を見る
能美防災システムのビル防災システムでは、自動火災報知設備や消火設備、防火・防排煙設備、非常放送設備、避難誘導設備といったように、ビル全体への防災設備が提供されています。
例えば自動火災報知設備については、「総合操作盤」「R型防災システム」「P型火災受信機」「赤外線式炎感知器」「光電式分離型感知器」「火災通報装置」「リング 型表示灯付発信機」など、さまざまな設備がラインナップされていることから、自施設に必要なものを選択して設置することができます。
▶ 能美防災株式会社の公式HPで
消防設備設計の
システム例の詳細を見る
日本ドライケミカル株式会社では、建物に合わせた防災システムの提供を行っています。同社の防災システムで対象となるのは、オフィスビルや高層マンション、ショッピングセンター、立体駐車場、工場・電力・変電施設、博物館・美術館・重要文化財、トンネルといったように非常に幅広い点が特徴。スプリンクラー設備や泡消火設備、不活性ガス(IG-541)消火システム、二酸化炭素消火設備、ハロン1301消火設備、トンネル防災システムなど、さまざまな設備が提供されています。
▶ 日本ドライケミカル株式会社の公式HPで
消防設備設計の
システム例の詳細を見る
高層ビルは消防設備の数が多く、設置箇所も広範にわたります。維持管理が課題となるため、メンテナンス性を考慮した設備設計が必要です。ビル内の設備を集中管理できる仕組みや、不具合を自動で検知できるシステムの設計が求められます。
高層ビルで発生する災害は火災だけではありません。地震や水害などが発生するリスクもあります。火災以外でも円滑に避難できる経路の設定や、耐震設計をして地震による破損に備えるなど、さまざまな工夫が求められます。
消防設備の設計を外部へ依頼する際は、設計会社の資格や認定の有無、高層ビルの設計実績などを確認しましょう。消防設備は、消防法で定められた基準を満たす必要があります。設計も複雑化しやすいため、実績のある会社へ依頼することが大切です。
高層ビルは避難に時間がかかるため、低層建築物と比較して消防設備の重要性が高めです。
消防設備を設計する際は、わずかな異変も見逃さず検知できる仕組みや、速やかな初期消火に対応できる消火設備の設置が求められます。避難者が集中しないように、避難経路の分散や多様化も必要です。
また、防災センターによる災害情報の集中管理も検討の余地があります。設計会社に相談し、適切なプランを提案してもらいましょう。

24時間稼働が求められるデータセンターや工場・物流施設には、消火時の機器汚損が少ない窒素ガス設備を導入。PFASを一切含まない次世代型泡消火薬剤を独自に開発し、総務大臣による型式承認も取得。汚損による運用停止のリスクを防止。
通信機器室や電気管理室など、消火に伴う機器汚損を最小限に抑える必要のある場所へのガス系消火設備導入実績を1,336件※持っています。

高齢者や体が不自由な方の退避時間確保のため、火災の拡大を遅らせることに注力した医療・福祉施設向けのパッケージシステムの提案が可能。夜間などの少人数体制でも、火災拡大を最小限に食い止めます。
さらに、火災発生地点や避難経路を瞬時に把握できる独自のクラウド型防災システムで、迅速な避難誘導を実現。スタッフの心理的負担を軽減し、施設全体の安全性を高めることができます。

ユニバーサルデザインの追求はもちろん、物件ごとのコンセプトや内装デザインに合わせた消火栓の完全オーダーメイドに対応している初田製作所。
美観を向上させる極細枠の採用や、壁面と同じクロス貼り・ガラス貼り・木目仕上げなど、周囲の素材に合わせた自由なカスタマイズが可能。建築デザインの意図を汲み取りながら、高い視認性と機能性を両立した消防設備設計を実現します。